●● 私の青空 ●●
 

 

 

阿藤海さん演じる「高島勝太」はこんな人
大間から築地へとマグロを運ぶ、トラック運転手。
今もって、独身。
大間でいちばんのおしゃべり男。

一方、本州最北端の町にいるのは…

 

大間町漁協販売課・島研一 昭和38年生まれ

「ケンボ」と呼ばれている。本州の突端から、大間の海の幸を載っけて走る男。トラックが好きで好きで、運転手になってしまった。「なんと?インターネット?まぬけづら載せで、どーすんのよ!」かっこつけても、笑うとビーバーのような歯が、めんこいね。

 

指さされたり、追いかけられたり。

「私の青空」の中で勝ちゃんが乗っているのは、大間町漁協所有のトラックに、美術さんがカラーリングしたもの。だから、ケンボがウニやらタナゴやらを運ぶときにも、例のでらでらトラックで出かけている。最初は、配達先の市場の人もおったまげたらしい。「もうちょっと、渋ぐしてほしがったなー。目立ちすぎなんだね」トイレ休憩するたびに、待ってましたとばかりに人が群がり、写真を撮っていくらしい。走っているときにも、あれあれ!という感じで指さされるし、トラックが止まるまで、ずっと後をついてきた観光客の方もいたとか。よっぽど写真が撮りたかったらしい。もはや、すっかり走る広告塔となっている。飛び跳ねるマグロを運ぶ「大間崎 純情丸」。こりゃ、照れくさいわなー。

 


配達のないときは、大間港のマグロ水揚げ場付近で
でらでら光っている。毎年夏に、トラック野郎たちが大集合するイベントが
むつ市で行われるらしい。「今年は、このトラックば、見せに行ぐ!」
と、ケンボの気合いもぶりぶり。

 

日本一、世界一のマグロにするために。

ドラマの中で舷と勝ちゃんが、「大間のマグロ」の誇りをかけて、不動産業者とけんかする場面があったが、マグロに対する思い入れでは、こちらケンボも負けてはいない。「どごにも負けないマグロにしたい!最高の状態で、築地さ出したい!」そのための陰の努力がある。

大間の一本釣り漁師たちが、意地と気合いを込めてモリを放つ。その瞬間から、鮮度との戦いは始まっている。漁師たちは船上で血抜きをほどこし、マグロを傷つけないように港に帰ってくる。そこから先は、ケンボら漁協職員の気の抜けない作業となるのだ。まずは、荷揚げしたマグロの内臓を取る。漁師との格闘で、ものすごいエネルギーを発したマグロの体温は、40〜50度にまで上昇しているらしい。「11月とか12月に腹裂げば、モワーっと湯気、上がるんだで」。その熱いマグロを、すかさず「水氷(みずごおり)」の中に入れる。身を締めて、身割れしないようにするためだ。水氷とは、氷が水の表面だけでなく底までちゃんと入っている状態のことを言うらしい。(勉強になるわ〜)5〜10時間、様子を見ながら、びしっと身を締めていく。その後、身が傷つかないようにパッチで包み、氷で満たした木箱に入れ、腹とエラの中にも氷を詰める。そしていよいよ、大間のマグロはトラックに積み込まれていたのだ。

 

築地まで行きてーなー。

現在、ケンボが大間のマグロを運んでいるのは青森市まで。そこから別の専門業者が築地まで突っ走っている。結局、マグロだけで1トラック出せるほど、数が揚がっていないということなのだ。今年はどうだろう。勝ちゃんのように、大間から築地まで、このトラックで乗り付けたら、かっこいいべなー。そしたらケンボも、いよいよ全国デビューだべなー。

 


漁協で、もう1台、大型トラックを買ってから、
新しい仲間が増えた(まん中の人)。先輩風を吹かせていたけど、
ルックスでは完全に負けてるよ、けんぼ!

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